アシッド・フォークが“そこ”にある  渡辺勝・イマイアキノブ

アシッド・フォークに関するディスクガイド本とかを最近よんでました。
アシッドフォークって何でしょうね?
ウィキペディアには、アシッドフォークなんてジャンルは無いみたいなんですよ。
アシッド・ロック、サイケデリック・ロックサイケデリック・フォーク、フリーフォーク…とか
そんなようなもののあたりを言うんでそ。



その本には、「アシッド・フォークとは、夜に聴く、または演奏するフォーク・ミュージックである。」
と明言されていて、

ああそうかもしれない。

朝日の爽やかな空気や真昼間の強い日差しより、
ピンク色に滲んだ夕日が見えなくなる頃合いから夜明けをじりじり待ちながら聴かねばなるまい。



そんな訳で
日本のフォーク・ロックについて
よく知ってるかといえば
まあ、あんまりわからないなりに
小ネタというかちょっと意外なところの話を。

そこかしこに“フォーク”はあるけれど・・・
さだまさしとかさ、コブクロとかさ)


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今はどうなのか知らないけど(元The Birthday)イマイアキノブは
いろいろなところでゲスト・ミュージシャンで
ギターをひいていたそうなんです。

そりゃあ、若いころはフリクションとかのバンドでどパンクだと思うんですが
(前髪を3本だけ垂らしてほかは全部剃ったヘアの頃があったとかないとかね)


一時期渡辺勝というひとのバンドで演奏もしていたみたい。


 


  エレクトリック・ギターは
 たまにしか弾かないので弦はいつでも錆びだらけだ。
 レコーディングでもそのまま使ってしまいます。
 どこかに書いたかもしれないが、イマイアキノブ氏は私のギターを見て
 「茶色い弦も売っているのか」「新製品か」と思ったそうです。
 川下直広氏は「よく指を切らないなあ」と変な感心をしていました。
 まあ普通の弾き方じゃないし、ミキサー氏によれば、
 メチャクチャ汚い音らしいですから、これでよいのです。
 もう世間によくあるようには弾けないでしょう。まあしませんが。
(渡辺氏のブログより)

この渡辺勝というのはだれやねんというと
1970年代「はちみつぱい」で鈴木慶一とかと曲を作ってバンドをやっていたひとで
ようは日本語ロックがどうたらの先駆者っちゅうわけです。
はちみつぱい」はスタジオ録音された唯一のアルバムが『センチメンタル通り』で
あとはライヴ音源が多数。
その『センチメンタル通り』には名曲ぞろいですが
「ぼくの倖せ」などは渡辺勝氏が作曲となっています。

曲も作るし詩も書くし、歌いながらギターも引くしピアノも弾くのです。
(確かにギターの弾き方が独特だ・・・)

ぼくの倖せの女性視点の曲が「あなたの船」らしいです。
泣ける。



彼とイマイさんがともに活動していたのは、2001〜2004年前後でしょうか。
もっと長い間だったかもしれませんが。
つまりROSSOに加入する直前、
あるいは並行して活動していた時期もあるかもですよね。


イマイアキノブのソロとしては、
それ以前2000年にそれっぽいフォーキーなノリの「ノゾキカラクリ」
をリリースしていますから、
若干はそうかなるほどと思える流れではあります。
ていうかイマイさんの声ってなんだろう70年代っぽい…

↑月よさらば/イマイアキノブ



エミグラント、またはクーツェなどのバンドのギタリストとして、
渡辺勝名義のアルバムではなぜかギターだけでなくボーカルもやっていたり



ほかにもアンダーグラウンドなフォーク界隈で度々演っていて
中川五郎というひとのCDにもクレジットが入っているんですが、
なんか見たことあるっけこの名前っっておもったら
この人はチャールズ・ブコウスキーの翻訳なんかやっているひとなんですよ。
知らないよ、知らなかったよ。
ブコウスキーの伝記はおもしろかったなあ。





ということで、
イマイアキノブという人はそもそも
The Birthdayにおいても“なんか浮いたかんじ”
を受けるひとがいたのは
(脱退したからどうだとまでは言いませんが)

彼のなかにいわゆるJ-ROCK(オーバーグラウンド的な?)
に染まりきれない何かがあったのじゃないかとか、勝手に想像し、

その何かこそ渡辺勝らとの音楽活動と結びつくものであっても
なんら不思議ではない、ともおもうのです。


しかしながら、例えばの話第二期ROSSOというバンドの誕生がなければ
イマイアキノブはいまだ地中のフォークロックギタリスト(あるいは無名画家)、だったのかもしれません。(大げさw)





じっさいどうなのか、雑誌インタビューでもそんな話はしないだろうけど。


ようするに、渡辺勝とイマイアキノブがおもしろいところで
つながっていて、よかったな!というはなし。