映画:小津安二郎「麦秋」
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今回の映画はこちら。
「麦秋」(1951年公開/配給:松竹)
監督/ 小津安二郎
脚本/ 野田高梧 小津安二郎
出演者/ 菅井一郎 東山千栄子 笠智衆 三宅邦子 原節子 高堂国典 淡島千景 佐野周二 杉村春子 二本柳寛
詳しくはこちらのウィキペディアで
麦秋 (1951年の映画) - Wikipedia
サブカル(笑)ニワカ(笑)ミーハー(笑)な私が日本映画の超名作、懐かしの昭和名画を視聴しました。
小津監督といえば海外的にも評価が高く、今尚映画好きに愛され続けている巨匠であります。というか小津作品全部見たとか、小津監督リスペクトというと通っぽいDE・SU・YO・NE?
映画が好きな若い人はだいたい「東京物語」あたりはよく見てたり話題にしたりするのだ(たぶん)
気まぐれで数ある小津作品のなかから、「麦秋」をえらんでみましたが、
意外と退屈シナイ。
びっくりだにゃん
随所にコミカルでセリフまわしもテンポ良く、長まわしもだるすぎない。俳優もひとりひとりうまいし、昭和戦後の古臭さを感じさせない(=これは、妙な惨めさ、まずしさ、生々しさを強調した“リアル”を映す映画でないからでしょーか)、淡々と事実を追っていき、だいじなところでフッと俳優さんの演技や空気感で泣かせるって感じでしょうか?
純然としたホームドラマですが、何か大きな事件や突飛な設定があるわけでもありませんでした。
そういえば主人公の原節子演じる紀子をはじめとする東京で働く人々は服装や衣食住などがちょいちょいハイカラで自由な感じがするのも、家族モノにありがちな泥くささを払拭している理由かも。
よくみたら紀子の服なんか変化が激しくレトロだけどかわいい。(もちろん当時流行のかっこうだったはず)
高いケーキ買ってきたり、お食事どころもおしゃれ、独身満喫なう!ってかんじか!(笑)
子供のいたずらやんちゃも、やりすぎやん(笑)みたいなとこも家族のスルースキルの高さに笑っちゃう。おじいちゃんまた紙ごとキャラメルたべやがった!とか。
とにかく昭和的な表現や設定は多々ある(あたりまえだけど)にもかかわらずあんまりそれを「あー昔の人はたいへんだったんだナー」とまで受け取らずに見れること。
よって主題の“無常”(wiki参照)とかそういうテーマがわかるっていうかぼやっと余韻するいい映画なんだなー
「今が一番いいときなんじゃないか」
「みんな一緒に今のままくらせるのはそりゃーいいけども」
「ほんとにあの子は自分で全部決めちゃって」
「東京をよくみておけよ」
「それが好きっていうことなんじゃない」「そうかしら」「そうよ」
なーんてセリフがいちいちじーんときましたん
家族っていいなーで終わる映画でなく
あー始まりがあって終わりがあって、悲しい過去はありつづけ幸せはいつか失われたり別れが突然訪れたり。
人生は淡々としていて、でもフッと変化や節目を迎えて。
というわけで、いいさくひんでござるよ
特にお気に入りのシーンは紀子と友達が秋田弁でしゃべるところ。
矢部母・たみや紀子の両親周吉・しげ役の演技がすんばらしいだ。
はあ久しぶりにバイオレンスじゃない映画見たなw