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戦争と声なき女の子 「やがて来たるものへ」

cinema

穏やかな美しい農村に忍び寄る戦争の影を
一人の少女の無垢な瞳を通して描かれた悲劇の映画。


(『やがて来たるものへ』原題 L'uomo che verrà イタリア・2010年)

監督 ジョルジョ・ディリッティ

出演 アルバ・ロルヴァケル
   マヤ・サンサ
   クラウディオ・カサディオ
   グレタ・ズッケーリ・モンタナーリ
   ステファノ・ビコッキ
   エレオノーラ・マッツォーニ

1944年9月29日に実際に起きた「マルザボットの虐殺」
を題材にしています。

当時の農村の人々の暮らしが詳細に濃密にえがかれており、
映像の美しさはもちろん、淡々と日々の生活の出来事を描きつつも、
終盤になるにつれ戦争の残酷なシーンや背景事情が浮かび上がります。



<時代背景>

イタリアは当時、ムッソリーニ率いるファシストによって統治されていて、
第二次世界大戦では日本、ドイツなどとともに連合軍と戦っていました。

しかしいったんシチリア島から上陸してきた連合軍にムッソリーニが逮捕されてしまうと
イタリアと連合軍の間で休戦協定が結ばれます。

その間にドイツ軍が進軍しムッソリーニを救出、
そしてほぼイタリア全土を占領し、
イタリア社会共和国というムッソリーニをトップとする、実質ドイツ軍の傀儡政権を樹立。
南部から北上する連合軍と攻防します。

そこでドイツ軍およびファシストに反抗するパルチザンという勢力が
イタリア各地で蜂起、ドイツの占領を妨害します。

後にムッソリーニが愛人のクラーラ・ペタッチとともに
パルチザンに捕らえられ処刑されますが
この映画はこの終結するまでのイタリアでの内戦を伴う戦争においての
できごとです。
めちゃくちゃ込み入った背景事情ですが




ファシストもやってきて、私達の言葉を話します。怒鳴って、反乱軍は山賊だ、殺せ、と言います。それで私は皆、人を殺したいのだと知りました。理由はわかりません(劇中のマルティーニの日記)」


ドイツ軍は反乱軍=パルチザンを捕虜にしようとはせず(正規軍とみなさなかった)、
かくまった住民ともども殺害を命じました。


品の中には厳しい状況のなかで様々な立場のひとが登場します。
パルチザンに加わる村の若者、
食糧を買いにくるドイツ兵、
パルチザンを助ける大人たち、
手当てはするもののあまり快く思わない女たち、
住民を守ろうとする牧師、
疎開してきた都会の親子など・・・


しかし主人公マルティーニの感動的な愛らしさよ!

この憂いをおびた眼!並みの8歳じゃない。
声を出すことがない分、瞳で語っているというか。

やぶいたお古のミニスカート、花柄の礼拝ワンピース、
衣装も完璧に可愛さを引き立てます。

音楽も、すてきで
牧歌のようなうたや民族音楽てきな合唱が絶妙に配置されてます。

パルチザンがドイツ兵を撃つシーンや
ドイツ兵が機関銃で住民を一斉射殺するといったショッキングなシーンは
前半の穏やかな農村風景、そしてあくまで淡々とした描き方のために
よりいっそう悲しさを増します。

「メタルヘッド」メタル映画じゃなくてよかった

cinema

メタルヘッド


(原題:Hesher 2011年・アメリカ)


監督 スペンサー・サッサー
原作 ブライアン・チャールズ・フランク

出演者 ジョセフ・ゴードン=レヴィット / ナタリー・ポートマン / レイン・ウィルソン/ デヴィン・プロシュー


というわけでわりかし最近の映画です。
名前から想像するようなメタル映画でも音楽映画でもなく
ストーリーは普通にヒューマン。
予備知識が無かったのでもしかしてハリウッドなドンパチ系じゃねえだろうなと思ってたけどどれでも無かった。


正直ヘヴィメタルヘヴィメタル的な人にもあまり今まで興味が沸かなかったし
この先もあんまり沸かなそうだが、
話の中にはメタルの音楽ネタも少なくて
ヘッシャーの周りの登場人物もメタルに感化されたりするわけじゃなかったんで
「メタル!ダサい…でもなんかヘッシャー良い奴だしまあええやん」
というわけでござんした。

ヘッシャーの風貌はたしかに恰好いい。
というかジョセフ・ゴードン=レヴィットが恰好いいのか?
下手くそな全身のタトゥーときったね―ブリーフ(あれで白さ眩しいブリーフでも困る)を鑑みてもまだかっこいいからね。



笑える部分(おならo(`^´*)o.。o○ぷー)

どうしよもない家族の閉塞感

TJの可愛さの甘辛ミックスが巧いなあとは思ったが

ナタリー・ポートマン要るかなあ・・・?
と最後まで思ってしまった。
垢抜けないナタリーは悪くはないけど、
少年の気持ちを打ち砕くためにしか存在してないのに
ふつうにいい子だし・・・嫌なやつならともかく。

どうせ鬱展開ならもうちょっとTJの自暴自棄をマックスにしてくれりゃー面白かったのかも。

ファッキンメタル野郎が母を亡くした不幸な家族の閉塞感をぶっ壊しに現れるていう設定と
全体のギャグセンスはすごく好き、とだけ言っておこう。

年末年始は時代劇・・・ 映画「壬生義士伝」

cinema book

あけおめ一発目の映画はやはり時代物、斬っては斬られの幕末がよござんしょ。

てーことで、BSで放送されていた「壬生義士伝」を取り上げたいと思います。


壬生義士伝』/2003年

監督 滝田洋二郎
脚本 中島丈博
原作 浅田次郎

出演者 中井貴一/三宅裕司/村田雄浩/夏川結衣/中谷美紀/佐藤浩市
音楽 久石譲

最終的に死にオチなのでどうあがいても涙ナシにはみられないです。監督は「おくりびと」の滝田監督。

じつは映画を見るずいぶん前に原作を読みました。
予告にもあるとおり、浅田次郎の作品の中で最高傑作かどうかわかりませんが、
緻密なストーリー構成と作者の新撰組へのマニア心が絶妙に合わさっていて、
読み進めながら「うわっ、この展開はうますぎるよ、泣くよそら」
作者ののおそるべし泣かせトラップ(伏線)があらゆるところに張り巡らされていて
読後のまるで戦から帰還した兵士のごとく満身創痍感ははんぱない。

渡辺謙主演で連ドラもやったみたいですが
そっちのほうはまだ見れていません。


浅田氏の輪違屋糸里新撰組モノで
たしかこちらは芹沢鴨暗殺のくだりだったかとおもいます。
以前ドラマ化しましたけど予算が少ないのかひどかったな(笑)


で映画と原作の両方を見て

やはり二時間弱でこの内容を完結させるのはいろいろと無理があった、それを承知の上で奮闘した役者陣がすごいなあ
という印象です。


とくに、原作では維新後生き残ったひとの語りで構成されているので視点がめまぐるしくかわります。
原作で登場する名無しの新撰組隊士のくだりをなくして、
代わりに佐藤浩市演じる斉藤一が語り役で
自然彼のシーンが多くなってしまいますが、
なかなかかっこいい役柄でした。
雨の中での貫一郎(中井貴一)との鍔迫り合い、
恋人・お縫とのからみもキュンときました。
中谷美紀は百歩ゆずっても醜女とはいえませんが、
近藤への密書を託される際に斉藤の頬にチュッてしちゃう乙女っぷりに
中途半端なブサカワを起用しなくて正解です監督、と思わずにいられません。
ともかく、佐藤浩市右差しの似合ういい男全開でした。

中井貴一の厳しくもあり優しくも儚い感じは
逆に渡辺謙ではちょっと完全無敵すぎてできないような気もすこしします


他のキャストもけっこうおもしろくて
沖田が若髷が似合わないけど堺雅人
近藤勇が生肉手づかみで鍋にほうりこむ塩見三省(さすがに笑った)
剃刀次郎衛というほど迫力ないけどよくがんばってた三宅裕二
「人殺し!」とプルプル叫んでいた近藤周平はよくみたら加瀬亮だったり

映画だけでもちゃんとまとまっていて、
泣ける仕上がりにはなっていると思う



ただあとから原作を読み返したら
ああ、このシーンもあった、あのシーンもいい、
というふうにもっと映像化したら映えるだろうなあというエピソードがいくつもあったりして
原作の出来の良さを再確認することになりました。

吉村貫一郎が死んだ後のストーリー展開がすばらしく、
とくに謎の名無し隊士が土方とともに五稜郭まで落ち延びた際に
貫一郎の息子嘉一郎と出会うところや
その幼い弟が佐助に負ぶわれて盛岡を去り、
その後再び農学研究者となって盛岡に戻るシーン。

この脈々と続く、大野次郎右衛門と吉村貫一郎、千秋と嘉一郎、しづ、みつ、
最後に明治の「吉村貫一郎」へ受け継がれる壬生義士の義が盛岡の地で花咲くことになります。


この感動のサイクルこそが、壬生義士伝のキモじゃなかろうかと、いうわけでした。


安易に浅葱だんだらにせず。黒い衣装の新撰組は「御法度」でもやってましたね。

JAZZ と 映画 「フレンチ・コネクション」「オーシャンと11人の仲間」「夢二」

cinema

 夜更けには粋なジャズを。
 
 野郎には一服の煙草と渋めなジャズを。

 美しい女たちには踊れる陽気なジャズを。

 そして映画には最高にクールなジャズを!


JAZZかじり虫が最近見た映画は次の通り。

フレンチ・コネクション
「オーシャンと11人の仲間」
「夢二」

どれも音楽の使い方がよくて
しかもジャズ系だったのでいっしょくたでのせてみました。

ちなみにわたしはお袋の腹の中にいるときからジャズを聴いて育った生粋のジャズメン←ジェット?

(…ロックがどうとかいうプロフィールに気をつけよう。)


フレンチ・コネクション
(The French Connection)1971年・アメリカ


↑このポスター、やたらダサかっこいいなあ。こういうのが好きっす

監督 ウィリアム・フリードキン
脚本 アーネスト・タイディマン
原作 ロビン・ムーア
製作 フィリップ・ダントー
製作総指揮 G・デイヴィッド・シャイン
キャスト
ジミー・“ポパイ”・ドイル   / ジーン・ハックマン
バディ・“クラウディ”・ラソー / ロイ・シャイダー
アラン・シャルニエ       / フェルナンド・レイ
ピエール・ニコリ        / マルセル・ボズッフィ
サルバトーレ・ボカ       / トニー・ロー・ビアンコ

前編に渡ってジャズっぽい演出の音楽が流れ、
途中のナイトクラブのシーンでスリー・ディグリーズという黒人三人娘が
月の夢など月並みだけどみんなで月に行こう、なんていう
キッチュなポップナンバーを歌っています。
たしかアポロ計画は69年かそこらだったので
ちょうどそういった話題で浮かれた年の冬のアメリカで事件は起こっていたわけだ。

それにしても、60〜70年代のアメリカって
けして綺麗ではないけれど町並みはすごくスタイリッシュに見えるなあ
もろイメージの中にある治安の悪いザ・ニューヨークっていう

ゲリラ撮影が多かったというコメンタリーの話で思い出したけど
以前紹介したHAZARD/園子温 - to-ca TongTong blog [トカトントンの雑記]
わざわざ治安の悪いとこでゲリラ撮影したとか(ていうかそれは許可がとれんかっただけ)
園子恩もこの映画を何度も見たに違いない。


印象的なシーンをコレでもかと詰め込んだアクションてんこもり映画だけど
一番好きなシーンはジーン・ハックマン演じる熱血刑事ポパイが
ヘロを密輸しに来たフレンチ野郎、シャルニエを尾行するも
すんでのところで地下鉄にまんまと乗り込まれ逃してしまう、という「うわあああああ・・・・」なシーン

ポパイもプロだがこのフェルナンド・レイっていう役者が演じるフレンチじじいも
その上を行くクロウト。

何食わぬ顔で乗るの?乗らないの?と攻防をやったのち
一瞬の隙を突いて発車する列車に乗り込む。
ポパイが時すでに遅しで窓をがんがんしながら列車をおいかけるのを
鼻で笑ってばいばいするフェルナンドレイが音楽もあいまってまじかっこよすぎる・・・

こういう賢くて悪いおじさまステキ!笑





『オーシャンと十一人の仲間』(Ocean's Eleven 1960年・アメリカ)

監督 ルイス・マイルストン

出演
ダニー・オーシャン   / フランク・シナトラ
ジョシュ・ハワード   / サミー・デイヴィスJr.
サム・ハーモン     / ディーン・マーティン
ジミー・フォスター   / ピーター・ローフォード
ビートリス・オーシャン / アンジー・ディキンソン



ブラピじゃないほうのオリジナルOCEAN'S ELEVEN
こちらもイカシたおっちゃんたちが大集合だけども・・・

なにせみんな背が高くて鼻が高くて彫りが深い男前なので
だれがだれだっけみてるとわかんなくなりがち笑
じつはわたしの苦手分野、外人の顔おぼえる!
まあしょうがないよね、11にんもいるんだもん。

唯一顔が黒いジョシュは見分けがつきましたよ(汗)
それにしても、ジョシュがコンテナ?の上に乗って運送業者の仲間と歌うシーンはよかった。
最高にクールさ!

やっぱジャズは享楽的でゴージャスな夜のネオンが似合います。


ちなみにこの映画にでてくる役者のうち何人かは
ダニー・オーシャン役のフランク・シナトラをはじめとする
「シナトラ一家」という当時ラスベガスを賑わせていた歌手グループのメンバー。

ゴットファーザーででてくるイタリア系マフィアの後ろ盾でカムバックしたあの歌手は
だれであろうこのフランク・シナトラがモデルだそうです。こわやこわや。



『夢二』(1991年・日本)

監督 鈴木清順
脚本 田中陽造
製作 荒戸源次郎

キャスト
竹久夢二沢田研二
脇屋巴代:毬谷友子
彦乃  :宮崎萬純
お葉  :広田玲央名
鬼松  :長谷川和彦
脇屋  :原田芳雄
稲村御舟:坂東玉三郎_(5代目)
女将  :大楠道代

ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座
とならんで「浪漫三部作」といわれた鈴木清順監督の映画です

先の二作に比べると映画界での評価は若干低いようなのですが
それでもこの作品がわたしは結構好きです。

着物姿の女性達はみんなかわいいしきれいだし(広田レオナがかわゆい)
太陽を盗んだ男」でもクソイケぶりを発揮したジュリーがまたもや
クソイケ(しかもえろい)全快でいいと思うし。

とくにわたしは他の二作の洗練された映像美とちょっとはなれて
俗っぽい雰囲気が漂っているかんじがいいと思いました


この映画でジャズが使われているのは喫茶「宵待草」でのシーン。

鬼さんこちら、なんてじゃれながらダンスホールへ招きよせられるジュリー扮する夢二
メイド姿のお葉と洋装の女将がはめを外して踊っていると
だぶついた衣装を着た金髪道化がやってきて夢二たちを煽ります
取っ組み合いになったところで、道化の仮面がはらりととれ、
金髪男の正体はなんと死んだと言われていたともよの亭主、脇屋だったのです。

・・・その脇屋を演じているのが原田芳雄
金髪で馬鹿みたいな成金の格好だが、このシーンの金髪はらりがかっこよすぎる。
正直ジュリーよか芳雄さんに目がいってしまう映画でした、個人的に。

GUNSLINGER GIRL からのサクッとイタリアメモ2

今日は前回からのつづきで、
今度はイタリアの警察事情についてわたしが調べてみたことのまとめ。
(イタリアにいったことすらない私が個人的にぐぐって調べたもので、さくっとてきとうです)


ガンスリでは社会福祉公社は警察に附属した組織ではないもののしばしば「軍警察」というワードが登場します。
この軍警察は一般にCARABINIERI(カラビニエリ)と呼ばれるイタリアで規模の一番大きな、そして歴史的にも古い警察組織です。

…というのも、イタリアにはややこしいことにニッポンの警察庁警視庁のように一元化されていない、それぞれ違った出自や管轄を持つ警察組織が存在するのです。


☆国家機関としての警察 

 1.「軍警察」(Arma dei Carabinieri)
人員11万人。所属は国防省

 2.「国家警察」(Polizia di Stato)
    人員10万人。所属は内務省

 3.「財務警察」(Guardia di Finanza)
    人員6万8千人。所属は経済産業省

 4.「刑務警察」(Polizia di penitenziaria)
   人員4万5千人。所属は司法省。設立は1990年と最も新しい。
 5.「森林警備隊
    人員8千5百人。所属は農業食糧森林省。


このうち1、2、3に関してはサルデーニャ王国時代のそれぞれ違う管轄の軍の部隊が元になっているので
各警察に特殊部隊が設置されたり、
第一次、第二次大戦で活躍したりした過去もあります。

しかし他の警察が文民組織であるのに対し、
カラビニエリだけは今も軍事組織として編成されています。
だから有事の際には憲兵及び戦闘部隊として機能し、
普段から階級制を採用しているのです。


最近ではイラクアフガニスタンPKOにもカラビニエリは参加しており、
警察とはいうもののの「陸軍」「空軍」「海軍」と合わせてイタリア4軍とも言われます。


警察活動に関しては各省庁の指揮に従う、ということなので
組織のシステム上は
憲兵内務省などに出向して任務を行っている
というかたちなのかな
ややこい!



↓通称GISことカラビニエリの特殊介入部隊。

で、この問題のカラビニエリ
対テロ活動に特殊介入部隊 (GIS:Gruppi di Intervento Speciale) 、
美術品などの密輸入取締り、保護に美術遺産保護部隊 (Nucleo Tutela Patrimonio Artistico) など
それぞれの特殊部隊はとても優秀な仕事をすることで有名なんだけど…

市井における一般的な警察業務(交通取締りや盗難などの軽犯罪取締り)での評判は
まじでギャグにされるほどポンコツポリスっぷり。



☆ネタその1

どうしてカラビニエリのズボンに赤いラインが入ってるか知ってる?
…そうしないとズボンの裏表が分からないから!

カラビニエリの制服。
超スマイル。→




☆ネタその2

あるカラビニエリが出勤すると、
同僚のカラビニエリが濡れた布をドアにあてていた。

「何でそんな事してるんだい?」

「いや、医者がぶつけたところを冷やせって言ったから…」




☆ネタその3

カラビニエリの公式ホームページには

「我々の職員は、パトカーを綺麗にすることにも大変熱心で、
各々の勤務の終わりには、灰皿を空にするために必ず自動車ごとひっくり返しています。」
とかなんとか書いてるらしい。

カラビニエリのパトカー。しかもアルファロメオ!!
ちなみに国家警察はランボルギーニ


イタリア人にこの手のネタを出すとばかウケらしい・・・(ほんとかよ笑)



だいぶガンスリの話から遠ざかっていますが
おかまいなしで

このあいだ見たんだけど
映画「ヴィンセントは海に行きたい」でもカラビニエリに引っ掛けたお笑いシーンが出てきました。

(2010年・ドイツ)


この映画は母親を亡くしたばかりのチック症候群の青年ヴィンセントが
ドイツの療養施設を抜け出してイタリアの海めざして仲間と旅に出る
といった青春ロードムービーなのですが

そのヴィンセントを追って、
政治家であるヴィンセントパパと施設の女性医師のふたりも
ワイパーの出ないおんぼろカーに乗って
海を目指します。

ヴィンセントたち若者の旅でありながら
同時にこの悩める大人ふたりの旅路でもあるわけです。


途中車の鍵を無くして困った二人は
探す時間も惜しいと焦り
古いタイプの車だからとギアをぶっ壊して
むきだしのコードを手でつなげてエンジンをかけ、
あわてて息子達を追いかけます。

しかし気が急くあまりイタリア国境を越えたあたり
スピード違反で捕まって警察に車を止められてしまう。
権力をかさにきて強引に物事をすすめたがる
政治家然とした政治家であるパパのほうは
なんと賄賂をわたして見逃してもらおうと言い出します。
「なんてったってここはもうイタリアだ。
 それにたかがスピード違反ぐらいで足止めされる時間はない」

先生のほうは「いやちょっとそれは・・・」という顔ですが


このシーンの通り、ドイツや近隣諸国の一般人にすら
賄賂でちょろまかせるチョー適当カラビニエリ
というイメージらしいっす(笑)


しかしながらこのあと、
ヴィンセントらに免許証を持ち去られてしまったことに気づいたふたり。
不審になった警官に「車をちょっと移動させてもらえますか」といわれ
「いや、それはできないんだ、ほら」
と壊れたエンジンを示し苦笑い・・・

さすがにあほなカラビニエリといえど
明らかに盗難車とわかれば
(ほんとはちがうんだけどねwww車をヴィンセントにパクられたのはパパたちのほうですwww)
即署に連行!
やっちゃったぜ・・・という爆笑シーンなのですた。

しかもイタリアの警察の外国人への取り締まりはけっこう厳しいらしく
いちどつかまるとあれこれ書類を提出しろだの
しかもお役所は手続きもチンタラしすぎで有名です


映画ではCARABINIERIの大きなロゴのパトカーや制服警官なども登場しますし
撮影も軍警察全面協力のもとでやってるみたいですね
(おい、おまえらちょっと馬鹿にされてるぞ!いいのコレ?)



ということで
あんまりガンスリには関係ありませんでしたが
なんとなく軍警察についてわかってきましたね。
ちょっと面白い意味で。

アニメではジャン、ジョゼ、ラバロなどは軍警察出身でした。
ジョゼはたしか公社に入る以前カラビニエリとしてセルビアPKOかなにかで出動していましたね。
財務警察出身のプリシッラちゃんなど
各方面の警察から引き抜きや退職ののち
公社に採用される職員が多いようです。

軍警察との太いパイプをもっているとジャンが言っているところなどもありましたが、
同様に俺は警察じゃない、テロリストが大嫌いだ、といっているせりふもあり
公社は軍警察でもできないようなテロリストへの徹底攻撃を目的にした
公にはできない組織なわけです。

以上〜☆

GUNSLINGER GIRL からのサクッとイタリアメモ1

ガンスリことアニメGUNSLINGER GIRL

美少女ドンパチ萌えアニメながら、ストーリーやキャラクターが結構作りこまれているので掘り出し良作!

原作漫画も読んでないので正直細かい設定などには理解が及んでいないのはじゅーじゅーしょーちなんですが
見ているうちにちょっと興味が湧いた

イタリアの社会問題や警察組織について
適当にまとめときますぞよ!!!!

そもそもこのアニメでわかりづらいのはフラテッロたちがそしきされている「社会福祉公社」とはどういう立場の組織なのか
「五共和国派」は何をしてるのか

特に一期では心理描写に重きを置いてるようで説明はあんまりなかったですね



# イタリアは南北で対立している


↑俗に言う北イタリアはこのブーツのふくらはぎのファーみたいなトコ


←実際のパダーニャのシンボル
五共和国派ということばこそないものの、
パダーニャ(北部同盟)という独立・南部排斥の立場をもつ地域は存在し、
一度は「パダーニア連邦政府」の樹立宣言まで行ったものの、
国際的に承認されず独立にはいたらなかったらすぃ。

↑同盟の集会。

実際に爆破テロや暗殺まで行ってたかどうかは・・・・
しらね。


なぜそんなに対立しているかという事情は
神聖ローマ帝国うんぬんのころからの根深いものがありそうなので
簡単に言えば

【北】→・大陸性の冷涼な気候で農業に適した肥沃な大地
    ・イタリア最大の都市圏を持つミラノ
    ・工業都市トリノは自動車メーカーフィアットの膝元
    ・イタリア最大の貿易港ジェノバ
    ・他にも工業的に潤った地域ばかり
    ・長く都市国家として分かれていたため地域分権運動が根強い

【南】→・地中海性の乾燥した農業に向かない気候
    ・平均所得は北より低い
    ・マフィアが勢力を持ち、公共事業などでの癒着があった
    ・中央集権的で中央政府への支持が強い

これだけみれば五共和国派が南を切り捨てたがるのもわかりますよね
クリスティアーノやフランカ、フランコたちがしきりに
「南にばかり血税が流れるのはごめんだ」
といっているのは
工業的に発達した北から吸い上げた税金を
南のマフィアの資金にされるのではたまったもんじゃない、
という言い分でしょうかね

実際には極右だとさわがれる北部同盟
北の工業地帯の労働者を守ろうという左派の思想であったりする部分もあるので
現実にはもっとこじれた問題なのでしょう
ちなみに現在イタリアでは
北部同盟は分離独立路線(パダーニア構想)から
地方分権連邦制路線へと転換し
結果的に支持者を減らしつつあるとか。


まあ、そういうわけなので
フランカが「私たちがまもるべきはああいった子達なんだものね」てきなことを
ジェラートぺろぺろするヘンリエッタ(フランカはただの金持ちの家のお嬢様だと思っているんですが)
をみてつぶやく意味がわかりますよね。


また、私が抱きがちなイタリアのイメージとして
・イタリア人=陽気、おおらか
・マフィアとかいて治安悪い
っていうのがあるけど
ガンスリは登場人物たちは大概寡黙で影があったりするし
マフィアはまったく出てきませんね
五共和国派はマフィアみたいなもんかと思ってましたが
単にガンスリの世界では五共和国派を邪魔者と考える党派が
政権を握っているために社会福祉公社みたいな組織までも作られて、
手段選ばず徹底的に叩かれているようですね

なんというか公社という存在はそういう微妙な政治的な動きのためにあるので
正直正義でもなんでもないかんじ。
ガンスリにおける政府が議会で転覆するなどすれば
公社は存在すら危ういよね。
議員の個人的な暗殺とかひきうけちゃってるし。

つづく

「SE7EN」

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最近見たショッキング系な洋画の感想をお送りします。



グロ注意サイコ・サスペンス映画
SE7EN
(セブン/ 1995年)です。

監督:デヴィット・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
出演:ブラッド・ピット/モーガン・フリーマン/ケヴィン・スペイシー 


最初はただのサスペンス・ミステリー・刑事モノ・・・
→スッキリ事件解決系?
かとも思ってたんですがね・・・笑

たぶんかなりのスッキリしない後味鬱映画にランクするのではないでしょうか、ん〜。


でも正直面白いかったっす。

ぶらぴも「俺様かっくいー」みたいなブラピでなく、
銃を構えるのにもビビりっぱなし、
犯人に殺されかけうなだれて死を待つ、
ラストのバッドエンドでは悲しみ怒り絶望の入り混じる
絶妙な葛藤を演じていて、一見の価値ありかと!

モーガンフリーマン演じるウィリアム・サマセット刑事の激シブなキャラクターもかなり好きかも。


しかしながら見所は世界観、色調、演出、セットといった映画全体を占めるダークで不気味、陰鬱な映像美です。
しかも「七つの大罪」をモチーフにして行われる殺人方法が超絶スプラッタ。
ネタバレになりますが一覧にまとめてみます。


「暴食」―GLUTTONY― 太った男を殺す直前まで延々と食わさせ悔いさせる。

「強欲」―GREED― どこの肉を切り取るか二日かけて選ばせちょうど1ポンドの贅肉を切り取り悪徳弁護士を悔いさせる。

「怠惰」―SLOTH― 麻薬の売人を1年間監禁し抗生物質などだけ与え尿や便をビンにさせるなどしミイラにし悔いさせる。(発見当時も生存)

「色欲」―LUST― ヘルスへやってきた男のナニに似せた刃物つきのSM道具をつけて娼婦の性器を刺させて、直接手は下さず殺す。

「傲慢」―PRIDE― モデルの顔を醜くずたずたに切り裂き、手に血止めや電話を持たせて生き残る選択肢も与え放置する。(自ら死を選ぶ)

「嫉妬」―ENVY― ミルズの手で殺される事で、自分の断罪と解釈。

「憤怒」―WRATH― 他でもないミルズの断罪。死ぬまで延々と後悔しながら「生きていく」事で全ての生きている人間の神に捧げる7つの断罪は完成される



途中犯人の住む家が発見されてしまったので
計画を変更することにしたと電話でミルズ刑事に宣言しますが

てーことはなに?

傲慢、嫉妬、憤怒は別の殺しプランがあったんですかあああああああううあああああああ。

こわいすねー。犯人役のケビンスペイシー、けっこうインパクトあるわ。




ミルズの妻はのっけから脂肪フラグたちまくりだったのですが、
最後の最後までもしかしたらブラピが助けてくれる・・・ことはなく。

事件自体もジョン・ドゥ(名無しのごんべー)が何者でなぜ犯行に至ったかも
謎は闇のまま、おわっちゃうんですね・・・・
私てっきりこの名コンビが
事件を解決しちゃってくれるものだとばかり。
あとあじクソ悪ぅ!

ジョンドゥの車の中での供述や、
ラストでサマセットがつぶやく言葉など
宗教的で意味深な言葉が多く、
その辺がちょっとわかりづらいですが、
犯罪のはびこる現代社会の真の罪や神とは何ぞや、といったところかと思います。



この映画は劇中音楽なんかもものすごくかっこよくて
オープニングクレジットが雰囲気出してて好きです。
曲はナインインチネイルズのcloserだそうです。

図書館でポーカーをしている守衛がラジカセからクラシック音楽を流すシーン
(きみ達はこの知識の山に囲まれているのに見向きもせずカードゲームか?なんてサマセット刑事が言う)
なんてマジしゃれおつっすよね。


殺人犯の部屋の感じ
(薄気味悪い十字架と祭壇、武器や死体写真、うずたかく詰まれた書物、小さな文字でびっしり書かれた日記やスクラップ記事など)
を再現した書斎がうちにも欲しいなー。